物のインターネット(Internet of Things, IoT)の標準化の動きが活発化してきている。本コラムでは物のインターネットの標準化に関して数回に亘りそのトピックを紹介したい。
物から情報を集める。情報をビッグデータの一部として分析する。分析結果に基づき物を制御する。これらの一連の動きにより新しいサービス、応用を創りだすことがIoTの目的であるが、身近な例としてホームオートメーションがある。ホームオートメーションの対象となる物には、全てではないが以下のようなものがある。
- 照明
- スマートメーター:遠隔で読み取り可能な電力、ガス、水道メーター
- 車庫扉開閉機
- 冷暖房空調設備
- スマートプラグ:オン・オフ、電力使用量が計数できる電源プラグ
- 天井扇、扇風機
- サーモスタット
- 照明スイッチ
- 煙検出器
- 一酸化炭素検出器
- 日よけ、ブラインド制御
- ドアベル
- ドアロック
- 暖房機バルブ
- ゲートウェイ:情報通信ネットワークへの接続装置
- 情報家電、等
- 屋内表示パネル
- ロボット、掃除機
- ガラス破損センサー
- ドアセンサー
- 窓センサー
- 動きセンサー
- ボディセンサー、ヘルスケア用
ホームオートメーションではこれらがIoTとなり、例えば、接続された管理システムにより電力の有効利用が図られる。管理システムは家庭内に置かれていても、クラウド上に仮想的に実現されていても構わない。電力制御は一例であるが各種機器からの情報、各種機器への制御により実現されるサービスは、防災、防犯、見守り、生活支援、など多岐に亘るものとなる。
物のインターネットの標準化が活発化する背景には、
- センサー技術の小型経済化が進んでいる。
- 情報を収集する無線技術が標準化されている。
- 安価な組込み型の情報処理技術が普及している。
- 仕組みの経済化により費用対効果がある応用分野が見出されている。
ことを挙げることができる。
藤井伸朗:NTT研究所、NTTグループ会社において通信網オペレーションシステム等の研究開発、国際標準化に従事。2014.7よりサイバー創研に勤務。電子情報通信学会フェロー。
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