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プレスリリース:サイバー創研、「5G標準と5Gビジネスを支える5G-SEPと 実現特許の急増要因を分析」

モバイル・ワイヤレスをはじめとしたICT技術の総合的調査を行う株式会社サイバー創研(本社:東京都品川区、代表取締役:佐藤 博彦)は、3GPPの5G標準必須特許(5G-SEP)の宣言状況を中心に、企業や技術・サービスに注目して、標準化活動状況、SEPの保有数、5G実現特許の保有数などについて評価・分析を行っています。

今回の第4版の調査報告では、前回の調査に引き続き、5G-SEP推定保有数(i)、5G-SEP宣言特許(ii)、5G実現特許(iii)、5G標準化寄書(iv)の4種の調査・分析を行いました。

各社の5G-SEP宣言特許件数と、各社の規格整合率((1)項を参照ください)を基に推定したSEP件数のトータルである5G-SEP推定保有数は、今回の調査では約15,000件でした。調査を開始した2020年10月時点からは約2.3倍となっていますが、前回調査(2021年10月)からの伸びはやや落ち着いてきました。なお、2013年に当社が調査した4G(LTE)-SEP推定保有数は約2,000件で、5G-SEP推定保有数は約7.5倍と、標準規格に資するSEP数の多さが注目されます。5G-SEP推定保有数の1位はSamsung、2位はQualcomm、3位はLGです。日本勢では、NTT DOCOMOが4位になっています。上位10社の国籍別では、日本勢は2社(NTT DOCOMO、Sharp)、米国勢は1社(Qualcomm)、欧州勢は2社(Nokia、Ericsson)、中国勢は3社(ZTE、Huawei、OPPO)、韓国勢は2社(Samsung、LG)と拮抗しています。日本の企業では、他に、Sony、NECが15位以内に入っています。

5G実現特許は、5G-SEPと、SEPではないが標準規格を実施するために有用な特許(各装置で実現処理を行う実装特許など)をできるだけ網羅して収集・抽出を行った特許群です。1年前の調査時か約1.7倍と引き続き大きな伸びを示しています。年毎の出願件数でも、2019年は約13,000件で、まだ急激な増加傾向となっています(図3)。他の調査よりも伸びが大きい背景には、出願特許の公開が1.5年程度遅れており、他の調査より情報の集約時期が遅れ気味となっているためと考えられます。

今回の調査では、注目したい調査結果がいくつかあります。

例えば、5G関連サービスのV2X(自動車)、D2D(IoT)、Unlicensed動作での5G実現特許の出願件数が大きく伸びていること、寄書提案数は、Relが進むにつれ、サービス・アーキテクチャ関連への提案の増加傾向を示していること、等です。

また、総合分析では、5Gの実現で有用な役割を担う、5G-SEP推定保有数と5G実現特許の保有数から、企業をいくつかのタイプに分類する試みを行っています。

更に、寄書の分析ではRel-17以降(Other)を含む、Rel毎、企業毎の提案件数の変化の分析を行っています。6G(Beyond 5G)を先取りした企業の動きを分析する試みです。

なお、第4版でも前回に引き続き、調査報告書の販売に加え、種々の動きを推定した特許グループのリスト販売も行います。企業や技術区分など、的を絞った効率的で具体的な特許の内容の確認を支援いたします。

【調査結果のポイント】

(1)5G-SEP推定保有数

SEP宣言は、各社が独自の判断で宣言できます。このため、宣言された5G-SEPが、必ずしも5G規格の実現に必須の5G-SEPとは限りません。また、5G-SEPの選定には、LTEの部分も含むETSIによる5G判定に基づいた選定と、3GPPが5Gならではの規格だと判定した規格に基づいた選定とがあります。さらに、5Gの無線系の仕様は、超低遅延や多数端末接続など、LTEと比較して、新たな機能実現のために大幅な仕様拡張が行われています。

上記の背景を考慮して、本調査では、3GPPが5G規格と定めた規格に宣言した各社のSEP宣言特許から、企業毎の公平性を保って2,376件を抽出し、宣言規格の仕様と特許の請求項を比較評価し、一致している特許を規格整合特許としました。

その結果、各社の5G規格整合率は図1となっています。

最も整合率が高かった企業はKTで、85%となっています。2位はSONYの75%、3位はHCTの73%となっています。

図1の34社は、3GPPが5Gの仕様と定めた規格に宣言している特許のうち、整合性評価を10件以上行った企業です。

SEP宣言登録特許の約10%を無作為に抽出し、5G規格と特許の請求項を比較評価し、完全一致の特許を整合特許とし、企業毎の合計件数を企業毎の調査対象特許件数で割ったものを5G規格整合率としています。

全体の整合率は、前回(2021年11月)実施時と同じく33%と変わらないことを確認しました。5G規格整合率を、企業ごとに3GPPが定めた規格への5G-SEP宣言特許件数に掛け、5G-SEP推定保有数を図2に示します。その結果は、上述の通りです。

図1 規格整合率(10件以上の特許を判定した企業)

図2 5G-SEP推定保有数

(2)5G実現特許

5G実現特許は、毎年確実に増加し、2019年の1年間で13,000件を超えた出願となりました(図3)。前回調査時と比較し、他の3調査は1.3倍の増加ですが、5G実現特許は、1.7倍の増加を示しています。特許公開が1.5年程度遅れる影響のためと考えられ、今後の調査で4調査のバランスが取れてくる可能性があります。

次項から、いくつかの調査トピックを紹介します。

図3 5G実現特許の出願推移

(3)V2Xに係る5G実現特許の急増

注目サービス(V2X)の5G実現特許の出願人の出願推移と比率を図4に示します。

2019年には前年の約2倍の750件の特許出願があり、特に1位企業の集中的な出願が注目されます。1位企業のシェア拡大と、10位以内の企業の特許出願の増加、この状況下での11位以下の企業のシェアの多さが、V2X関連の標準規格の策定や、実現のための実装特許の優劣など、詳細な分析を行う必要性を示唆していると考えられます。

図4 注目サービス(V2X)の5G実現特許の出願推移と比率

(4)サービス・アーキテクチャの提案が増える寄書提案数

Rel毎のWG別の寄書提案数の割合を、図5に示します。

Rel15、16、17、Other(Rel-18以降)とRelが進むにつれて、RAN系(無線関係)への寄書提案数は減少傾向を示し、これを補う形で、SA系(サービス・アーキテクチャ系)、CT系(コアネットワーク系)への提案数の比率が高くなっています。

RAN系は、無線関係の性能的な目標を達成するための提案が中心になりますが、SA系は新たなサービスなどの要求条件やそれを支えるネットワーク・システムアーキテクチャなどの提案、無線系の拡張に伴うコアネットワークへの要求などの提案が中心となります。

報告書では、個々のWGとRel毎に、提案人の調査結果を示し、注目カ所を紹介しています。

 

図5 Rel毎のWG別の寄書提案数の割合

【提供サービス】

今回の第4版の調査では、以下のサービスをご提供いたします

(1)調査報告書:全体動向調査、技術区分別動向調査、注目企業の出願動向調査、など

(2)5G実現特許の特許番号一覧:技術区分別・出願人別など指定いただいた条件での特許リスト(オプションで、特許の概要、ETSI宣言の有無、など)

(3)5G-SEP宣言特許の評価リスト

(4)その他、個別要件はご相談

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