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人工知能技術を使いこなすために(1)

人工知能技術とは一体どういう技術か?

次世代のロボットや小売業・運送業でのドローン配送システム、金融業における認証など、人工知能が話題になっていますが、人工知能を実現するための技術とは一体何なのか?
実はあまり知られていないのではないでしょうか。

人工知能を「機械に知能を与えること」と定義すると、人間の知的な活動の一部を機械的に再現することが必要です。
そこには、人間の脳と同じように「思考する機能」や、「会話の受け答えをする機能」、「画像に写るものが何であるかを学習して知識とする機能」など、幅広い機能が含まれています。思考する機能の一部としては、既存の知識をルール化してそのルールに基づいて行動を起こす機能、つまりある入力に対して一定の出力を出すことも必要になります。

「人工知能技術」はその言葉のとおり「人工知能」を「実現」するための技術ですが、人工知能にはこのような様々な機能が求められるため、これに対応する様々な技術が必要となります。

それらの技術を網羅的、体系的に俯瞰する一つの方法として、特許の出願領域を分類する、国際特許分類(IPC :International Patent Classification)があります。

IPC分類は、出願される発明が、特許として認められるかどうかを審査するために体系づけられたもので、これまでに世界中のどこかで研究開発活動が行われていないか、特許として登録を認められるかどうかを調べる際に、先行調査すべき技術領域を定めている分類です。

人工知能技術の中核となる技術領域は、IPC=G06Nという記号で分類されています。
分類名は、「特定の計算モデルに基づくコンピュータシステム」で、その技術体系の中分類は、人工知能が考える力を高めていく「学習型技術」、人工知能が用いる知識とするための「知識ベース型技術」、発見的に答えを探す「試行錯誤型技術」に分かれています。
人工知能は、これらの技術を組み合わせて、能力を発揮するのです。

さらに細かく分けた小分類は下表です。
メディアなどで注目を集めているディープラーニングはニューラルネットの1技術領域です。

技術中分類 技術小分類 技術の概要
学習型 機械学習 人間と同様な学習機能をコンピュータ・システム上で実現する技術
ニューラルネット 人間の脳の神経回路をモデルとするコンピュータ・システム上の学習技術
知識ベース型 推論システム 知識・意味に関する情報を基として、推論規則を適用させて推論結果を導き出す技術
知識の表現 知識の表現形式(セマンティクス)、知識の設計・加工、知識の獲得・抽出、知識ベースの更新に関する技術
知識ベース一般 知識ベースであって、推論システムや知識の表現に含まれないもの
ルール等の集合で表現した知識情報の構造やアクセスに関する技術
試行錯誤型 ファジィ推論 メンバーシップ関数と推論のルールを適用して推論結果を導き出す技術
ファジィ制御 ファジィ集合を利用して制御モデルや制御系を構成する制御に関する技術
遺伝的モデル 生物における交配や突然変異による品種改良をまねた学習技術
カオス・モデル 予測できない複雑な様子を示す現象を扱う理論モデルを利用した学習技術

ちなみに、人工知能技術の特許は、2008年〜2012年の5年間では主要国で約7,300件の出願がありました。
そのうち、学習型が約3,100件、知識ベース型が約3,900件、試行錯誤型が約1000件となっています。(複数分類に属する特許があります)

<続きは近日公開>

    • 人工知能技術の老舗と新規参企業
    • 学習型人工知能技術-20年前からあったディープラーニング
    • 人工知能技術と相性の良い技術
    • 人工知能技術の活用に向いた会社は

 


齋藤孝文:NTT研究所、NTTグループ会社において情報通信技術を活かしたマーケットクリエーション等の研究開発、事業展開に従事。
サイバー創研(2009.7より)では、特許文献、標準寄書、論文、企業情報などをエビデンスとして、お客様のビジネス展開、調査・研究などを支援。


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